フィナステリドはAGA治療薬でよく聞く「プロペシア」という薬に含まれる主成分のひとつです。フィナステリドはもともと前立腺肥大症の治療薬として研究されていた薬剤で、1980年代後半から1990年代初頭にかけて、アメリカの製薬会社メルク（Merck＆Co.）により開発されました。当初フィナステリドを服用していた人の脱毛が抑制されたことをきっかけとして、低用量版を男性型脱毛症の治療薬として開発されたのがプロペシアです。

AGAクリニックではプロペシアと書かれることもあれば、成分名としてのフィナステリドが書かれることもありますので、留意しておくと良いでしょう。

AGAになる原因は、遺伝や男性ホルモンの影響によるものです。基本的にAGA治療では、この男性ホルモンに作用する治療薬を使って治療をしていきます。この治療薬のひとつがフィナステリドを使ったプロペシアです。フィナステリドはAGA治療には欠かせない成分になっているのです。

フィナステリドの効果

AGAは男性ホルモンに含まれるテストステロンが酵素の一種である5αリダクターゼと結合し、DHT（ジヒドロテストステロン）へと変化することで起こります。DHTが毛乳頭にある男性ホルモン受容体（アンドロゲンレセプター）と結合すると、毛髪を生成する毛母細胞の活動が抑制されてしまい、薄毛になるという仕組みになっています。

フィナステリドは、この5αリダクターゼを抑制する効果があり、この働きによってテストステロンが変化するのを防ぎ、DHTによって阻害されていたヘアサイクルを正常に戻す役割を持っています。

ヘアサイクルが正常に戻るまでにはフィナステリドの服用を始めてから3ヶ月～6ヶ月（個人差があります）ほどかかります。まれに1年～2年ほどかかるケースもあるようなので、不安な場合は医師に話し、治療薬の変更も相談してみると良いでしょう。

フィナステリドの副作用

確率は低いものの、フィナステリドにも副作用の可能性はあります。

性機能障害

AGA治療薬は男性ホルモンに作用するため、フィナステリドに限らずED（勃起不全）や性欲減退、精液減少といった性機能に副作用が出る場合が確認されています。

肝機能障害

こちらもフィナステリドに限らず、治療薬は肝臓で代謝されるため、肝臓に負担がかかります。治療を始める前に、肝機能に不安がある人は血液検査で数値を確認しながらの服用をすすめられるようです。

アレルギー症状

人によっては、アレルギー症状を引き起こす人が確認されています。症状としては皮膚のかゆみ・蕁麻疹・血管浮腫などがあるようです。

フィナステリドと同じような働きをもつ成分にデュタステリドがあります。こちらは「ザガーロ」という治療薬に含まれている成分です。デュタステリドもフィナステリドと同様にAGAクリニックでは一般的に使われている薬のひとつです。

デュタステリドの主な効果としては、フィナステリドと大きく変わりません。しかし、フィナステリドは5αリダクターゼのⅡ型へ影響するのに対し、デュタステリドは5αリダクターゼのⅠ型・Ⅱ型の両方に作用します。このため、フィナステリドでは効果が見られなかった人でもデュタステリドであれば、効果が出る場合もあるといわれています。

副作用はこちらもフィナステリド同様に性機能障害や肝機能障害が報告されており、フィナステリドよりも効き目が強いため、副作用もフィナステリドより確率があがるようです。

フィナステリドは、デュタステリドと比較すると少し安価に購入が可能です。

初月限定価格やまとめ割引などがある場合の最安価格は、平均で2.000円を切ります。単剤処方時または初月ではなく2ヶ月目以降の価格平均は、平均3,500円ほど。継続して服用が必要な薬なので、初月・最安価格だけではなく、年間でいくらかかるか計算して考えると良いでしょう。

フィナステリドを含むプロペシアは、通販・個人輸入といった購入方法も可能です。インターネット上では、海外薬も含め入手方法は多岐にわたり散見されます。これらは正規・安全なルートを通った薬とは言い難く、安全性も疑問視されているものが含まれているのが事実です。

個人輸入は安全ではない

通販・個人輸入では安全性が保証されていないため、厚生労働省の公式サイトでは、以下のような注意事項が掲載されています。

個人輸入される医薬品等の品質、有効性及び安全性(以下「品質等」という。)については、我が国の医薬品医療機器等法に基づく確認がなされていません。品質等の確認が行われていない医薬品等は、期待する効果が得られなかったり、人体に有害な物質が含まれている場合があります。

引用：厚生労働省

また、個人輸入した場合、当然ながら副作用が出た際に対応が遅れてしまうことも無くはありません。安全性という面で大きな危険が伴うため、個人輸入は推奨されるものでは無いということになります。

個人輸入のデメリット

実際に個人輸入で健康被害にあった例も報告されており、決して安全とは言えません。一般社団法人 偽造医薬品等情報センターが公開している報告事例では、フィナステリドとミノキシジルをネット経由で入手した方の被害報告が寄せられています。

50代男性が、ネット経由で入手した未承認医薬品ミノキシジル2.5mg錠（２錠/日）、フィナステリド1mg錠（１錠/日）を約２か月服用した。 服用終了約1.5か月後に全身倦怠感、胸焼けが出現し、濃い色の尿が出現。服用終了約２か月後に近医を受診し、肝機能異常が指摘。近医受診翌日に救急外来紹介受診し、黄疸、肝細胞型肝障害を指摘し、近医受診３日後に入院。保存的に観察加療を行い、軽快したため、入院16日目に退院。

引用：厚生労働省

正規のルートで日本に輸入され、監査を通っている治療薬で治療がおこなえるAGAクリニックが最適解だとおすすめします。